この記事は、アニメ「薬屋のひとりごと」33話「先帝」について書いています。
32話の続きで、先帝の呪いを調べるために、猫猫たちは先帝の部屋へ行きます。
汚れた部屋で、猫猫はあるものを見つけ、先帝の死体が腐らなかった原因を突き止めました。
さらに、皇太后は先帝との回想をし、暗い過去が分かります。
33話の内容をもっと知りたい方や考察をしたい方は、ぜひお読みください。
おもな出来事
猫猫は虫を追いかけている侍女がいると噂を聞いて、子翠を思い浮かべる。子翠を探しに行くと、虫を捕まえていたが、誤って猫猫の頭の上で虫をつぶしてしまう。猫猫と子翠が話していると、近くを皇太后が通りかかる。
猫猫が翡翠宮に戻ると皇太后が来て、頼みごとをする。「先帝を呪ったのか調べて欲しい」と言われ、別の日に妃たちを集めて茶会が開かれ、猫猫は皇太后の手伝いに行く。
皇太后の侍女に猫猫は連れられ、先帝が晩年過ごした部屋を見に行き、亡くなって1年後も腐敗していなかった遺体について聞く。
小説:薬屋のひとりごと、ヒーロー文庫、3巻、14話
漫画:薬屋のひとりごと、スクウェア・エニックス、11巻、56話、57話、58話
漫画:薬屋のひとりごと、小学館、11巻、45話|12巻、46話、47話

今回の登場人物
- 猫猫・・・花街で薬屋をしていた。現在は後宮で働いている。
- 壬氏・・・宦官。美貌の持ち主で、老若男女問わず惚れられる。後宮で強い権力を持っている。
- 高順・・・壬氏の側近で宦官。まじめで、壬氏の信頼が厚い。
- 皇太后・・・名前は安氏。若いときに皇帝を出産したため若い。
- 公奴婢・・・先帝に使えていた。しゃべれない。
- 先帝・・・ロリコン。母である女帝のいいなり。
- 女帝・・・先の皇太后。先帝の母。息子を皇帝にさせ、実権を握っていた。
壬氏のおもちゃ箱にあったのは毒⁉
猫猫は壬氏の侍女:水蓮の部屋で、壬氏のおもちゃ箱を見つける。その中には毒が入っていた!
猫猫は明日先帝の部屋に行くことになった。立ち合いを壬氏がすることになり、猫猫は壬氏の屋敷に泊まった。
水蓮の部屋に泊まらせてもらう。水蓮は本を読んでいて、猫猫にも本を持ってきて読んでいいと勧める。
本を探しに来て、金糸の刺繍がついた行李を見つける。
行李・・・竹や柳で編んだ箱形の物入れ
水蓮がやってきて、猫猫は中身を見せてもらうと、子どものおもちゃが入っていた。
壬氏のお気に入りで、同じものばかりで遊ぶため、水蓮は隠していたそう。
ひとつのものに執着するとそればかり見てしまうのはよくないと、壬氏の母の願いでそうしていた。

猫猫の頭の中
抑圧された環境で育つと心に影響を受けると聞く。
壬氏がたまに見せる子どもっぽさは、壬氏の本質のひとつかもしれない。
引用:漫画:薬屋のひとりごと、スクウェア・エニックス、11巻、56話
猫猫は水蓮に壬氏をどう思うか聞かれて、いい上司だと言う。

猫猫にとっては珍しい薬をくれるからだけど(笑)
猫猫は行李の中に紙を見つけるが、すぐに水蓮が取り上げて何が描かれていたか分からなかった。
ひとつの石を見つけた猫猫は、手ぬぐいごしに石を持った。水蓮はどこで拾ってきたのかと笑っていたが、猫猫はこれは毒だと伝える。
そして、猫猫は水蓮に壬氏は小さい頃、内廷に入ることがあったか確認する。
猫猫は明日になれば分かると、水蓮に話す。

毒の石を持っていたのには驚きましたね
先帝の呪いが起きた原因が明らかに!
猫猫は先帝の部屋の壁に描かれた絵を見つけて、どうして無くなった先帝が腐敗しなかったのか分かる。
猫猫、壬氏、高順、皇太后、皇太后の侍女は先帝の部屋へ向かう。

猫猫は先帝の部屋へ入り、部屋の様子や落ちているものを確認する。
猫猫は皇太后に、先帝は絵を描く趣味があったか尋ねる。
話を聞いている壬氏の小指が小刻みに動いており、猫猫は壬氏が動揺しているのに気づく。
猫猫は先帝が絵を描いていたか、知っている者を呼んでもらう。
- ほこりっぽく、独特の臭いがする
- 筆が落ちている
- 床には、散らばった煮詰めた飴のような汚れを拭いた痕がある
- 汚れの行き先は、壁
猫猫が汚れを辿って壁を触ると弾力があった。分厚い紙が貼ってあり、表面は塗料か何かが塗ってある。
そして先帝に付いていた男が現れる。かなりの年で、元公奴婢。しゃべることができない。
公奴婢・・・国の奴婢。奴隷。働きに応じて奴婢から解放される。ひどい扱いを受けている者が多い。
周りから監視されるように生きている皇族なら、口がきけない者を選んで、使用人にすることはあるだろうと猫猫は思った。

この部屋に絵などありませんでしたか?
公奴婢は反応しなかったが、猫猫は様子から何か隠していると考える。公奴婢の目線が壁を見た。
猫猫は壁紙を剥いでいいか皇太后から許可をもらうが、公奴婢はやめろという目をしている。

猫猫が壁紙を剥がすと、絵が出てくる。
女性とその傍に数人の女の子が描かれていた
猫猫は説明をしだす。
- 絵の上に壁紙を被せてあったため劣化しているが、絵は鮮やかな黄色だった
- 絵の具は、色の元になる粉を液体と混ぜて作る
- この色は雄黄色と言われ、雄黄という石を砕いて作る
- 壬氏の行李(おもちゃ箱)にあった小石の正体は、雄黄

猫猫
雄黄色には砒毒と同じ毒性が含まれていて、砒毒には者を腐りにくくする作用があります
引用:薬屋のひとりごと、スクウェア・エニックス、11巻、57話
猫猫は最初、先帝が何かに使われていた雄黄を、知らずに身体に取り込んだと考えた。
しかし、小さい頃に壬氏が宮廷で雄黄を拾ったこと、部屋に落ちていた筆の形から猫猫は違う可能性があると思った。

先帝は長い時間をかけて少しずつ砒毒を身体に取り込んだのでしょう

猫猫は多くを語らなかったけど、いろいろと推測しているよ
- 医官も砒毒の可能性を分かっていたと思うが、先帝がどこで摂取したか分からず、皇帝の行動を制限することもできなかった
- 先帝が隠れて絵を描いていたのは、上に立つ者が絵を描くのをくだらないとまわりが思うから。そして、口がきけない公奴婢に部屋の管理を任せた
- 先帝が絵を描く道具を手に入れられたのは、誰かが用意していたから
- 絵に描かれていた女性は、女帝
- 女帝は自分の子(先帝)が皇帝にふさわしくないとわかっていた
- 女帝は自分のところへ権力を集め、皇帝になった自分の子(先帝)を守ろうとした
猫猫は部屋を出る際に公奴婢を見て、女帝から画材を受け取り、画材を受け取っていたのだと思った。
そして、画材に毒が含まれていると公奴婢も女帝も知らなかったと思われる。

先帝の呪いは、絵の材料が原因だったんだね!
皇太后の過去
皇太后は先帝に見初められるのを意図していた?!
皇太后は絵を眺め、過去のことを思い返した。先帝に近づいたのは謀だった。
皇太后は顔に出さないが絵を見てイラつく。猫猫は答えをみつけてくれたが、知らなくていいことも伝えてくれた。

皇太后にとっては先帝の呪いの答えを知らない方が幸せだったかも
皇太后は絵をみて、自分はたくさんいる女の1人に過ぎないと思い、子どもを産んだ傷のおかげで国母になれたと思っている。
皇太后は、偶然先帝に見初められ身ごもった幼い娘とまわりから同情された。しかし、皇太后は主上がロリコンであると知っていた。
- 皇太后は同年代より初潮がくるのが早かった
- 幼い顔立ちをしていた
- 皇太后の父は都合のいい道具として利用した
- 腹違いの姉が中級妃になり、侍女として後宮に入った
- 先帝が宦官に連れて来られて、異母姉の元に来たが乗り気ではなかった
- 先帝は異母姉が触れようとすると、怖がり払いのけた
- 皇太后が先帝に声をかけると目が合い、お手付きになった

皇太后は何度も命の危険にさらされたが、幸い子どもが男児で、孫の存在を女帝が認めてくれた。
それ以前に女児を産んだ娘がいたが先帝は否定。そのため、女児の父親と思われる医官は追放。
当時は後宮内でも医官のみ去勢しなくてよかったが、その後は医官も去勢をさせられた。
皇太后の出産で手術をした医官は、去勢させられた。

猫猫の養父:羅門だよ
皇太后は先帝を憎んでいた

皇太后は先帝が許せず誰にも知られず、先帝の心を壊していた。
何年も経ち、少女の外見がなくなった皇太后に、先帝は会いに来なかった。先帝は女帝の操り人形で、幼い娘にしかまともに話しかけられない。
皇太后は、すれ違った先帝が皇太后に見向きもせず、幼い娘に声をかけるのを見た。

皇太后
そんな者に忘れられるのが許せなかった
引用:薬屋のひとりごと、スクウェア・エニックス、11巻、57話
- 2人目の子は不義の子と疑う者がいる
- 不義の子ではない
- 皇太后は閨で先帝に腹の傷を見せつけ、怯える先帝に毒のある言葉を吐き続けた
- 先帝をいたぶったのは、母である女帝よりも先帝の記憶に残るようにするため
- その後先帝は心を壊して部屋に引きこもったが、誰のせいか追及することもなかった
皇太后は、先帝が女帝と野心のない娘ばかりを描いていたと思った。
昔一度だけ先帝が描いてくれた絵を大切にしていたが、侍女に捨てさせた。皇太后に先帝は必要なく、先帝にも皇太后は必要ないから。
皇太后の回想
子が危険にさらされるかもしれない。そう思ったときの決断は早かった。
たとえ不義の子と言われようと、取り違えられた子であろうと、大切な子に違いなかった。
引用:薬屋のひとりごと、スクウェア・エニックス、11巻、57話

意味深な言葉だね
絵に描かれていたのは皇太后?
壬氏と皇太后が部屋をでて会話をし、描かれていたのは皇太后ではないかと仮説を話した。
皇太后は部屋から出ると、壬氏と目が合う。
壬氏は皇太后に昔先帝が来たときの話をする。そのときに拾った石(雄黄)を見せ、水蓮が返してくれたと話す。
皇太后は水蓮に、壬氏が同じもので遊ぶようなら取り上げるように指示したのを思い出す。
そして、壬氏を子どもの心のまま、人一倍早く大人に育ててしまったと申し訳なく思っている。
壬氏は一度先帝が描いた絵を見たことがあると話し、皇太后は捨てておくように言った絵を水蓮が取っておいたのだと分かった。

壬氏
「あの絵の女性は本当に女帝なのでしょうか?あのときあのかたは何を伝えたかったのでしょうか?」
引用:薬屋のひとりごと、スクウェア・エニックス、11巻、57話
皇太后は壬氏に、先帝の若い頃の姿を重ね、昔のことを思い起こす。
しかし皇太后は「知らない」と言い、知ることはできないし、知らないことを選んだと振り返った。
話題をかえて、皇太后は壬氏に、面白い女官に目をかけていると話す。壬氏は、なかなか使える者で、と答える。
しかし、皇太后はそれだけはないと、分かっている。

皇太后
「お気に入りは隠しておかないと、誰かに隠されてしまうわよ」
引用:薬屋のひとりごと、スクウェア・エニックス、11巻、57話

考察
皇太后の2人目の子は取り違えられた?
今回でははっきり分かりませんでした。
しかし、皇太后は先帝との2人目の子を振り返っているときに、「取り違えられた子であろうと」と出てきました。
皇太后の子は取り違えれたのだとしたら誰の子か、と考えると同じ時期に産んだ阿多妃の子が怪しいですね(1期、11話)。
皇太后が育てたのは誰の子か、今後分かるのか楽しみです。
壬氏は先帝と似ている?
壬氏は先帝に似て、イケメンのようです(笑)
皇太后は先帝の昔の姿を思い浮かべた後に、壬氏を見ました。
その姿は似ていると思いました。先帝と壬氏の血の繋がりを感じます。
絵に描かれていたのは皇太后だったのか?
壬氏は皇太后との会話で、絵の女性は皇太后であると伝えていたので、私も皇太后だと思いました。
壬氏は昔皇太后がよく黄色の服を着ていたと話し、先帝と会ったときに伝えたかったことがあったのではないかと語っています。
一方猫猫の憶測では、絵の女性は女帝を表していると思われました。
しかし、最後の壬氏と皇太后の会話から絵の中心に描かれていた女性は皇太后と思われます。
皇太后が壬氏に忠告した意味は?
皇太后「お気に入りは隠しておかないと、誰かに隠されてしまうわよ」
引用:薬屋のひとりごと、スクウェア・エニックス、11巻、57話
お気に入りとは、猫猫のことだと考えられます。
そして、壬氏は昔お気に入りのおもちゃを母の教育方針で侍女に隠されていました。
皇太后は昔のことと重ねて、壬氏に猫猫を隠しておかないと、誰かに取られてしまうと忠告したと考えられます。
解決していない謎
- 皇太后の2人目の子は取り違えられたのか?
- 壬氏は誰の子?
- 先帝は壬氏、皇太后に何を伝えたかったのか?
まとめ
33話は先帝の呪いが砒毒によるものと分かり、皇太后や先帝、2人目の子のことが分かる内容でした。
- 猫猫は水蓮の部屋で壬氏のおもちゃ箱から毒の石を見つける
- 猫猫たちは先帝の部屋へ行き、落ちている筆や汚れた床や壁を調べる
- 公奴婢は何かを隠していたが、猫猫は壁紙が剥がれると分かり、下から女性と女の子たちの絵がでてくる
- 先帝は絵の具で使われた雄黄の毒を、少しずつ身体に取り込んでなくなった
- 壬氏が昔宮廷で拾った石は雄黄だった
- 皇太后は先帝がロリコンであったことを知っていて近づき、見初められて子どもを身ごもった
- 皇太后は幼い娘としか話せない先帝が、自分のことを忘れるのを許せず、閨で罵りつづけた
- 2人目の子は、先帝の子で間違いない
- 皇太后は壬氏が猫猫を気に入っているのを知って忠告をする
今回は昔宮中で起こったことがでてきて、皇太后のことがよく分かりましたね。
幼くして子どもを産んで、年をとったら無能な先帝から相手にされなくなるのは許せないと思います。
はっきりと分からないこともありましたが、今後分かるのが楽しみです。
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